ワールドカップ(後藤健生著/中央公論社) [書籍]
私はサッカーに興味を持ちだしておよそ6年の新米ファン。サッカーに関心がなかった過去の時間を取り戻すことはできないが、知識は補うことができる。そう思ってサッカーに関する書籍を読み漁っているのだが、そのうちの1冊。
第1回ウルグアイ大会(1930)から、執筆時にはまだ開催されていない第16回フランス大会(1998)と第17回日韓共催(2002)まで、この世界最大のスポーツ大会がどのように生まれ、発展してきたかが全311ページにわたって語られる。ちょっと引いてしまうボリュームであるが、実際はとても読みやすい本であった。大袈裟な言葉なしに短いセンテンスで事実を積み上げていく文体にはリズム感があり、熱狂と喧噪のドラマが淡々とクールに描写される。
巻末には、各大会ごとに全て試合の日にち、対戦国、点数を含む試合結果をまとめたワールドカップ全試合記録という表が付いている。今はインターネットで調べれば大概のことはわかるから不要じゃないか。読む前はそう思ったのだが、大きな間違いであった。大部の本ではあるが、全ての試合について詳細に語っているわけではない。しかし、この表があるおかげで、本文中で語られない試合にもそれぞれに選手、監督、スタッフ、サポーターがいて、それぞれにドラマがあったことを想像できるからである。巻末にはさらに、簡単なものであるが「フォーメーション変遷表」なるものも付いており、今では使われないポジション名などは、これでそのピッチ上での位置を確認することができる。
先日書いた『新・サッカーへの招待』もこの本も、2002年の日韓共催が決まり、日本がワールドカップ初出場も果たした1998年の刊行である。当時サッカーに全く関心がなかった私でも、あの時代の熱狂的なブームのことは憶えている。ああいう状況のなかでこういう良質な本を出版してくれたというのは、ファンにとって本当に有り難いことである。しかしもう14年が過ぎた。サッカーは相変わらず人気があるが、最新の情報を反映した適切な概説書は案外少ないように思う。この本もそろそろ改訂版を出して貰いたいものである。
第1回ウルグアイ大会(1930)から、執筆時にはまだ開催されていない第16回フランス大会(1998)と第17回日韓共催(2002)まで、この世界最大のスポーツ大会がどのように生まれ、発展してきたかが全311ページにわたって語られる。ちょっと引いてしまうボリュームであるが、実際はとても読みやすい本であった。大袈裟な言葉なしに短いセンテンスで事実を積み上げていく文体にはリズム感があり、熱狂と喧噪のドラマが淡々とクールに描写される。
巻末には、各大会ごとに全て試合の日にち、対戦国、点数を含む試合結果をまとめたワールドカップ全試合記録という表が付いている。今はインターネットで調べれば大概のことはわかるから不要じゃないか。読む前はそう思ったのだが、大きな間違いであった。大部の本ではあるが、全ての試合について詳細に語っているわけではない。しかし、この表があるおかげで、本文中で語られない試合にもそれぞれに選手、監督、スタッフ、サポーターがいて、それぞれにドラマがあったことを想像できるからである。巻末にはさらに、簡単なものであるが「フォーメーション変遷表」なるものも付いており、今では使われないポジション名などは、これでそのピッチ上での位置を確認することができる。
先日書いた『新・サッカーへの招待』もこの本も、2002年の日韓共催が決まり、日本がワールドカップ初出場も果たした1998年の刊行である。当時サッカーに全く関心がなかった私でも、あの時代の熱狂的なブームのことは憶えている。ああいう状況のなかでこういう良質な本を出版してくれたというのは、ファンにとって本当に有り難いことである。しかしもう14年が過ぎた。サッカーは相変わらず人気があるが、最新の情報を反映した適切な概説書は案外少ないように思う。この本もそろそろ改訂版を出して貰いたいものである。
2012-07-09 22:49
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