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なでしこジャパンはなぜ強い―メディカルの視点から [雑記]

先日訪れたサッカーミュージアムの入り口付近に「スポーツゴジラ」という無料の小冊子の第19号が置いてあった。その中に「なでしこジャパンはなぜ強い―メディカルの視点から」という興味深い記事があった。なでしこジャパンの「走るサッカー」へのメディカル・スタッフの貢献に関するもので、書いたのは松田貴雄さんという西別府病院のスポーツ医学センター長をされているお医者さんである。

松田先生は、2008年にU-17の合宿に帯同していたとき、ある「走れなくなった」選手が鉄不足になっていることを発見する。体が活動するには酸素が必要だが、酸素が体内を運ばれるには、血液中に酸素と結合する鉄の存在が不可欠である。高校生になりフィジカルを鍛え始めると、増加した筋肉にかなりの量の鉄が持って行かれるため、通常の食事では補えない鉄不足に陥る傾向があるというのである。

この問題を提起しても、協会も栄養士さんも既に十分な栄養管理を行っていたため、最初はなかなか理解されなかったらしい。だがその後、他にもフェリチン(鉄貯蔵蛋白)不足の選手が発見され、鉄剤のサプリメントがU-17の合宿には置かれるようになった。さらに、鉄不足の予防の重要性について、佐々木則夫監督を含め各世代の指導者も共通認識を持つようになった。そしてそれがなでしこジャパンの「走るサッカー」に貢献したという大変結構なお話である。

確かに女子サッカーでは、試合中に足が止まる日本人選手はあまり見ないように思う。が、問題は男子である。ロンドン・オリンピックのメキシコ戦後半では、選手は全体的にかなり疲れているように見受けられた。

「選手は必死に走っているつもりでも、パフォーマンスが上がらない。外見からはどう見ても貧血とは思えない選手に対して、『さぼっている』という見方しかしてこなかった…」(本文から)

メキシコ戦のあとの男子代表に対しても、ネット上ではこういう見方のオンパレードで、本当に選手達が気の毒だった。短い期間での連戦で、彼らはあれが限界だったのだと思う。メディカル・スタッフも出来る限りのことをしてくれたのだろう。でもまさか、鉄不足じゃないでしょうね。


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