SSブログ
前の30件 | -

可愛い顔して [雑記]

私は浦和レッズの山田直輝選手が好きだ。あのオードリーの若林みたいな童顔とエグいプレースタイルとのギャップがたまらないのである。
 
山田直輝.jpg
 
若林があの春日をこれまでコントロールしてきたのはすごいが、山田選手もガッツ溢れる人である。ああいう顔の人は案外芯が強いのかなと思う。ロンドン・オリンピックのアジア予選におけるアウェイの対バーレーン戦で、山田選手が相手ミッドフィールダーに顔を踏まれて出血するという事件があった。私のサッカー通の友人にいわせると「あのプレーなら相手が怒るのも無理ないよ」ということだが、私は山田選手が可哀想でならなかった。その後、山田選手が怪我のため長期休養してしまったのは残念だったが、そろそろ回復した頃ではないか。来期に彼の姿を見ることを楽しみにしている。

プレーがエグいといえば、ドイツのレバークーゼンにいる細貝萌選手もかなりのものだ。
 
細貝.jpg
 
ドルトムントにいた頃の香川真司選手が、しつこくマークしていた細貝選手に後ろからスライディングしたということがあった。あの温厚そうな香川選手がそんなことをするんだから、よほど頭に来たんだろう。細貝選手は可愛いというより、「甘いマスク」という言葉がぴったりのイケメンである。サッカー日本代表の一員で、顔がかっこよくて、奥さんはデルモ出身でしょ。「天は二物を与えず」っていう言葉は完全な嘘だな。細貝選手は最近調子いいようなので、来年はザックジャパンでも頑張ってほしいものだ。

最後は、マンチェスター・ユナイテッドのサイドバック、ラファエウ・ペレイラ・ダ・シウヴァだな。
 
ラファエウ.jpg
 
ちょっと垂れ目の童顔にくるくるのパーマが何とも愛くるしいのだが、かえってプレーのエグさが引き立つ。ラファエウ選手は鼻っ柱も相当強いことは、ロンドン・オリンピックのメキシコ対ブラジルの決勝戦で、何かミスがきっかけで味方選手と激しく口論していたのでもわかる。

昨日はNHK BS1でプレミアリーグのレディング対マンチェスター・ユナイテッドを観た。前半30分までに両チーム合わせて6点が入るというシーソーゲームで、結局試合は4対3でマンUが勝った。ゲームとしては面白いんだけど、ちょっと雑な感じもする内容であった。マンUの方は、ラファエウのいる右サイドを何遍も破られて、それに苛立ったラファエウがファールでイエローカードを貰ってしまい、前半31分に交代させられてしまう。よほど悔しかったのだろう、ベンチに戻るラファエウ選手は、ファーガソン監督が差し出す手を無視していた。おいおい、相手はナイト位を叙勲され銅像まで建てられたサー・アレックス・ファーガソンだぞ。でも、勤め人時代の私自身の体験からしても、このときのラファエウ選手の気持ちはよくわかるのである。

仏頂面でベンチに座ったラファエウ選手の足に、隣にいたウェルベック選手がそっと毛布をかけてあげるシーンをカメラが捉えていた。ああチームメイトっていいなあってなんか感動した。インテルのサネッティ選手みたいな人格者も好きだが、ラファエウみたいなやんちゃ坊主からも目が離せない。

ところで、マンUのミッドフィールダーのアンデルソン選手がこの試合で負傷したため、香川選手の復帰が早まるかもしれないと解説の山本昌邦さんがいっていた。公式的には復帰は12月下旬となっているが、これはファーガソンの情報攪乱戦術かもしれないとの由。そうであればうれしいが、くれぐれも無理はしないで欲しいものである。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

パク・ジョンウに対するFIFAの処分 [雑記]

面白いので全文引用する。


(引用ここから)

FIFA、五輪で竹島主張の朴鍾佑に「軽い処分」=韓国

  国際サッカー連盟(FIFA)は3日、ロンドン五輪の男子サッカー銅メダル決勝戦で、竹島(韓国名・独島)の領有を主張するプラカードを掲げた韓国代表の朴鍾佑(パク・ジョンウ)に対し、2試合の国際試合出場停止処分と3500スイスフラン(約31万円)の罰金を科すことを発表した。複数の韓国メディアが報じた。

  韓国サッカー協会は、FIFAから朴鍾佑の処罰について連絡があったとし、これを発表。「比較的軽い処分なので控訴はできない。韓国協会には警告が下った」とし、処分内容を受け止めることを明らかにした。

  FIFAも同日、ホームページに処分内容を発表した。

  朴鍾佑は五輪の試合で日本に勝利した後、「独島は韓国の領土」と書かれた紙を掲げてフィールドを駆け回った。国際オリンピック委員会(IOC)は、競技場での政治的な宣伝活動を禁じる五輪憲章に抵触する可能性があるとして、朴鍾佑への銅メダル授与を保留にし、FIFAは処分を科すため調査を行っていた。

  FIFAは今回の処分について、朴鍾佑の行動は事前に計画されたものではない偶発的な行動だが、FIFAの懲戒規定第57条とロンドン五輪大会規定第18条4項(大会期間中の政治的・宗教的・商業的な行為の禁止)に違反したと判断した。IOCはFIFAが下した処分レベルを基に、朴鍾佑に保留にしている銅メダルを授与するかどうか決定する。

  韓国では、FIFAの処分内容が“軽い”ことから、朴鍾佑のメダル獲得の可能性は高まったとの見方が広まっている。

  韓国サッカー協会のキム・ジュソン事務総長は、「FIFAが朴鍾佑の事案は大したことがないと判断したものと解釈できる」「IOCもFIFAの決定を尊重し、最終決定するとみられる」と述べた。

  韓国メディアは、「FIFA、独島セレモニーの朴鍾佑に“免罪符”」「朴鍾佑、FIFAから軽懲戒…銅メダル授与に青信号」などの見出しで伝えた。(編集担当:新川悠)

(引用ここまで)
 
さらにhttp://blog.livedoor.jp/doyasoku2ch/archives/20744306.htmlには、以下のような記事が。
 
(引用ここから)
 
アジアトゥデイ キョン・ニム記者=ロンドンオリンピックで独島(トクト)セレモニーを繰り広げて国際サッカー連盟(FIFA)の賞罰委員会に回付されたパク・ジョンウ選手がAマッチ2競技出場停止と3500スイスフラン(約410万ウォン)の罰金処分を受けた。
これを謙虚に受け入れるという大韓サッカー協会の態度がまたヌリクン(インターネットユーザー)らの俎上に上がった。 

日本サッカー協会が異議を提起しないとした一節もヌリクンらの公憤を買った。 
パク・ジョンウのFIFA懲戒確定のニュースに接したヌリクンらは
「日本がしたことに対して沈黙して謝罪までした韓国サッカー協会の無能さを見た」、
「サッカー協会を懲戒しなければ…」、
「とんでもない懲戒! サッカー協会が情けない」、
「私たちの土地をわれらの物だと言うのに懲戒を受け入れる国は我が国しかない」、
「韓国サッカー協会の屈辱的な事なかれ主義的な態度に憤慨を越えて涙まで出る」、
「話にならない。これはすべて国の力がないから…」、
「FIFAの決定を受け入れたら、私たちもやはり独島がわが領土ではない紛争地域と認定することではないですか?」、
「とても不公平なようだ。日本がオリンピックでする行動は何の制裁もないが…」、
「私たちの土地を我が国の土地だと呼べない情けない現実」等、サッカー協会を難詰する声があふれた。 

一方、国際サッカー連盟懲戒委員会の決定は国際オリンピック委員会に伝えられて懲戒の有無が最終決定される予定だ。 
 
(引用ここまで)
  
韓国メディアも韓国ネチズンも、全くため息をつきたくなるような連中である。 
 
島耕作.jpg
 
これは、子会社に飛ばされた島耕作が今野社長というすっげー嫌な奴に吐いた言葉。 確か今野はこのあと改心して、とてもいい人になるのだが、それはご都合主義のサラリーマン出世漫画でしか起こり得ない話。私としてはむしろ、野比玉子さんの以下のような態度で韓国には臨むべきだと思う。
 
かわいそうにあたまがおかしいのね2.jpg
 
それはともかく、今回の件に関して、興味深いブログを発見した。
 
 
また、以下のように審判がユースの選手に殺されるという痛ましい事件もオランダで起きている。
 
 
反韓感情はもちろんある(笑)が、それだけではない。サッカーというのは危険なスポーツだ。サッカーが原因でエルサルバドルとホンジュラスの間では戦争が起きた。だから、感情がエスカレートしないよう、きちんとした管理が必要なのだが、今回のFIFAのパク・ジョンウに対する軽すぎる処分は戦争を煽っているようなものだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

ガンバ大阪のこと [雑記]

FIFAクラブワールドカップ2008のガンバ大阪対マンチェスター・ユナイテッド戦。マンU相手にほぼ勝負がついたかにみえた前半の4対1から、結果的に5対3にまで持ち込んだガンバのあきらめない姿勢には本当に感動した。それだけにMCの明石家さんまが試合後にガンバを嘲笑するようにゲラゲラ笑っていたのを非常に不愉快に感じたのを覚えている。私はそれまでもサッカーは観ていたが、サッカーの魅力により一層取り付かれるきっかけになった、私にとって記念すべき試合であった。

それ以来、ガンバ大阪に対しては、とにかく最後まで走って、取られたら取り返す攻撃サッカーという好イメージを抱いていたが、ビッグクラブなのでサポーターというわけではなかった。

今季のガンバの不振の原因についてはいろいろなことがいわれているが、例年シーズン前のグアム・キャンプで行っている厳しいフィジカル・トレーニングをセホーン前監督が行わなかったという指摘が当たっていると思う。

2月のザックジャパンの対ウズベキスタン戦について、風間八宏さんは、遠藤保仁選手が徹底的にマークされていたことを敗因に挙げていたが、私はむしろ、遠藤選手がウズベキスタンの若い選手についていけてないような印象を受けた記憶がある。ただ、開幕前のこの時期はJリーグ選手は概ねコンディションが悪いということはあるかもしれない。

それと、確か5月頃のアジア・チャンピオンズ・リーグでのガンバ大阪とアデレード・ユナイテッドの試合だったと思うが、ガンバの選手の動きは総じて非常に鈍かったと思う。解説の松木安太郎さんが「今のガンバはみんながみんな遠藤選手みたいになっている(つまり、パスの出し手ばかりで、動きながらパスを受ける選手がいない)」と指摘していた。この人は絶叫するだけかと思っていたが、たまにはいいこともいう(笑)。さすがはS級コーチ有資格者である。

それにしても、何でガンバは昨年3位という好成績にもかかわらず西野朗監督を代えたのだろう。呂比須ワグナー氏がライセンス問題で監督に就任できず、急遽セホーン氏を代役にしたドタバタ劇をみても深い考えがあったとは到底思えない。私は、不振の選手に対して「あんな奴要らん」といったり、すぐに監督の解任を要求したり、大騒ぎしてフロントの責任を追及したりする一部サポーターの態度を常々苦々しく感じているのだが、今のガンバのフロントは擁護する気が全く起きない。

ガンバの選手とサポーターにとっては、今回の降格は痛恨事に違いない。特に、守備の強化のために移籍してきたばかりの今野泰幸選手の胸の内を思うといたたまれない。現段階では、遠藤選手も今野選手もガンバに残るようである。正直、無理をしなくてもいいのになあとは思う。しかし、私のような単なるサッカーファンとしては、J2の値段(2500円~3000円ぐらいだろうか)で日本代表チームの核というべき選手が2人もいるチームの試合を生で観られるのは、実にうれしいことである。来年は、にわかガンバ・サポーターになるかもしれない。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

2014年ワールドカップ アジア最終予選 第4戦 日本対イラク 9月11日(火)19:30 / 会場:埼玉スタジアム [観戦]

吉田麻也選手のイングランド・サウサンプトンへの移籍が決まった直後だったと思う。確か日本テレビのスポーツ番組で吉田選手への独占取材を放送していた。場所はオランダの日本料理屋で、吉田選手がいくつかの小鉢料理を前にしながら、「代表に呼ばれると頻繁に血液検査を受けさせられる」という話をしていた。選手は特に鉄分不足について注意されるので、食事には気を遣っているし、サプリメントも飲むようにしているとのことであった。以前のブログで、男子代表は血中の鉄分が足りないんじゃないかと嫌味を書いたことがあったのだが、どうやらそんなことはないようである。

ところで吉田選手というと、最近のインタビューでは実に堂々としていて、なかなか立派なことをいう。ロンドン・オリンピックを経て、なんかこう風格のようなものを身につけてきたようにすら感じる。だが、昨日の夕方のニュースでみた、成田空港で大勢の女性ファンに追いかけられていたときの麻也くんの超嬉しそうな顔といったらなかった。やっぱりこの人の本性は相変わらずのようで一安心である。

それはともかく、この試合を観ても、イラクには試合中にピッチ上に倒れてしまう選手がいたが、日本人選手は後半終盤まで選手交代がなかったにもかかわらず、それほど疲れていなかったようなので、鉄分不足の心配はなさそうである。特に長友佑都選手が最後まで元気に走り回っていた姿が印象的だった。長友選手は試合後に「あと90分はできる」と豪語していたそうだが、この人の血中鉄分は一体どれぐらいあるのか公表してほしいものだ。前半25分、駒野友一選手のスローイングが得点の起点になったのは、駒野ファンの私としては大変嬉しい。あと、清武弘嗣選手は、この前のUAE戦を含め、以前より凄みが増したという感じがする。ドイツへの移籍がそうさせたのか、それともロンドン・オリンピックでの悔しい経験によるものなのだろうか。

イラクの監督のジーコについては、私がサッカーに興味を持ち出したのが2006年ドイツ・ワールドカップのあたりなので、実のところよく知らなかった。ドイツでは1次リーグを突破できなかったため、正直いって監督としてはいまいちなのではという先入観があった。また、このアジア最終予選で日本と同じB組になったときに「日本と一緒にワールドカップに行きたい」といった発言もしていたので、ちょっと甘い人なのかなという印象もあった(こういう発言は、変な疑いを持たれる可能性もあるので、いわない方がいいと思う)。だが、イラクの政情不安、国内リーグの開始前という時期、アウェイでの戦いといった条件を考えると、イラクよりもはるかに恵まれた環境にある日本に対していくつかの好機を作り出し、あと少しのところまで追い詰めたのだから、やはり優秀な監督なのだと思う。

ジーコ監督が先発を大幅に入れ替えて、若い選手主体のチームにしたと知ったとき、少し嫌な予感がした。というのも、3月の3次予選の最終戦でウズベキスタンに敗れたときも相手は若い選手を多く出してきたからである。ジーコ監督は試合前の記者会見でもこのウズベキスタン戦について言及していたし、ボランチの遠藤選手と長谷部選手を自由にさせない戦術をとったことをみても、彼はこのウズベキスタン戦を相当に参考にしたのではないだろうか。

楽な試合ではなかったが、日本はディフェンス3人が出場停止、香川真司選手も直前になって欠場という状況で勝ち切れたことは本当によかったと思う。ザッケローニ監督は、今年の年頭のインタビューで、現日本代表の課題として「チームの底上げ」、「3バック・システムへの適応」、「アウェイでの勝負強さ」の3つを挙げていたように記憶している。このうち、「底上げ」については、今のところかなりの進歩があったように感じる。「3バック」については、今回のイラク戦を観た限りでは、相手に対抗策を見つけさせないためにも、新しいシステムによる引き出しを増やすことは非常に価値のあることだと思う。仮に早い段階で勝ち抜きが決まったなら、そういったチャレンジも是非してもらいたいと思う。「勝負強さ」の点については、アウェイでも勝ちきれる力があることを11月のオマーン戦、来年3月のヨルダン戦で実証してくれることを願うばかりだ。

さて、最終予選もこの段階になると、あとどれだけ勝てばリーグ突破が決まるのかが非常に気になる。後藤健生さんは、Jスポーツというサイトのコラムで「11月のオマーン戦で勝ち抜けが決まってしまう可能性すら出てきた」とうれしいことを書いているが、本当にそうなのだろうか。それを確かめるために勝敗表を見ながら暗算で勝ち点計算をしていて、そのややこしさに頭が爆発しそうになっていたところ、大変便利なサイトを発見した。今後の各試合について任意の得点を入力すると自動的に勝ち点を計算してくれるという優れものである。これを使って勝ち点の計算をしてみたのだが、後藤さんのいうようにオマーン戦で勝ち抜けが確定する可能性はないように私には思われる(が、確信はない)。

日本にとって最も有利なのが、11月14日までの他チームの3試合が全て引き分けとなった場合、あるいは10月16日のオマーン対ヨルダン戦のみオマーンが勝ち、残りの2試合が引き分けの場合ではないかと思う。この場合、11月14日の対オマーン戦に日本が勝てば、かなりの確率で日本はブラジルへの切符を手にすることができる。が、その場合でも、その後の各試合の結果によっては、日本が非常に有利ではあるものの得失点差の争いになる可能性はまだ残っており、11月14日の段階で100%確実に日本の勝ち抜きが決まることはないように思われるのである。

ところで、この勝ち点計算に熱中していると、どうしても考え方が他力本願的になり、他チームの試合結果に期待してしまう自分がいることに気付く。ザッケローニ監督は「勝ち点の計算はしない。目の前の試合に集中する」とよくいう。頭がこんがらがるから計算しないんじゃないかとちょっと思っていたのだが、やはりそうではないのだろう。監督と選手には、あまり早い段階で勝ち点計算はしないでほしいものである。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 決勝戦 アメリカ対ドイツ 9月8日(土)19:20 会場:国立競技場 [観戦]

この試合は当初、テレビで放送する予定はなかったようである。試合の3日前ほどにこの大会を独占放映しているフジテレビのホームページから「録画でいいから放送してほしい」旨の意見を送ってみたら、深夜ではあるが放送してくれて本当に有り難い。たぶん同じような意見が多くあったのだと思う。だが、1時間半の放送時間に授賞式も入っていたので、試合の方はかなりカットされていたのが残念。やはりノーカットで観たかった。かえすがえすも国立競技場に行けなかったのが悔やまれる。

試合の方は、私の予想(また多くの人の下馬評)に反して、アメリカが1対0でドイツを下した。何故あんなに強かったドイツにアメリカが勝てたのか、いまだにわからない。全体的にドイツの方が押していたが、今大会唯一の失点を許してしまい、それが決勝点となった。ただ、アメリカのディフェンスは本当に素晴らしかった。結局のところ、戦術云々よりアメリカの気合いがドイツのそれを上回っていたとしかいいようがないと思う。3位決定戦のヤングなでしことナイジェリアの試合もよかったが、少なくとも今大会で私が観た試合の中ではベストゲームだった。

女子サッカーの世界では、やはりアメリカとドイツが頭一つ抜け出しているのかなあとも感じるが、準決勝まではヤングなでしこもアメリカとは遜色なかったと思う。対ドイツ戦の前半に3失点してしまったのが勝負の分かれ目だったのではないだろうか。

試合翌日の深夜、フジテレビではお笑いコンビのピースがMCをつとめ、ヤングなでしこの多くのメンバーも出演する特集番組が放送されていた。綾部は又吉を少しどつきすぎじゃあないかと思ったが、吉田弘監督に一番怒られている選手は誰かといった内輪話も聞けて、なかなか面白かった。だが私としては、ドイツ対アメリカの試合をスタンドで観戦していたヤングなでしこ達がこの決勝戦を観てどう感じたのか、両チームとの差を感じたのか、それとも自分たちでもやれると思ったのかといったことを是非聞いて欲しかったと思う。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 3位決定戦 日本対ナイジェリア 9月8日(土)15:30 会場:国立競技場 [観戦]

この日は国立競技場に行くことができなかったので、仕方なくテレビ観戦。同時刻に行われていた天皇杯もチェックしていたのだが、後半になるとこっちに熱中してしまい、天皇杯のことはすっかり忘れてしまった。ヤングなでしこの最終戦にふさわしい息詰まる試合だったと思う。試合後のインタビューで木村弘監督が開口一番「疲れました」といっていたのに実感がこもっていた。この試合は、今大会でのヤングなでしこの試合の中で一番面白かったと思う。やはりテレビではなくスタジアムで観戦したかった。

ヤングなでしこの魅力の一つはゴールの意外性だと思う。前半24分の田中陽子選手のシュートはまるでマンガをみているようだった。全部の試合を観たわけではないが、今大会でのカッコいいゴール数を競うランキングがあれば、田中陽子選手がナンバーワンになるのではないだろうか。

私はもちろん日本を応援していたのだが、アメリカ対ナイジェリアの準決勝でナイジェリアの応援席に座っていたせいか、日本が勝っても少々複雑な気分だった。こんな気持ちになったのは初めてである。アフリカ人ってどの人も同じように見えるせいか、ナイジェリアのサポーターが画面に映るたびに、この間の試合で私の隣にいた人のように思えてならなかった。

ナイジェリアの選手の方は試合前の公開練習時に選手同士がユニフォームを交換して攪乱作戦に出たり、監督は監督で試合前インタビューにまともに答えずFIFAの人に怒られたりと、やることが何だかなあという感じだったのであるが、本当に勝ちたかったのだと思う。試合終了後にピッチに倒れ込み起き上がれないナイジェリアの選手をみると心が痛んだ。

INAC神戸の会長さんが田中陽子選手の活躍をみて、アメリカ代表のワンバック選手を獲得する構想を中止したというニュースがあった。生のワンバックを是非見てみたかった私としては非常に残念であるが、この大会を通じて新しい日本人選手の名前と顔を覚えたので、なでしこリーグの試合を観る楽しみが増えたのはうれしいことである。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

酒井高徳選手にドイツ代表入りの可能性はまだあるのか [雑記]

先月、ドイツと日本の二重国籍を有するシュツットガルトの酒井高徳選手が、ドイツ代表入りをほのめかす発言をしたとのニュースがあった。「僕にとってドイツ代表は相変わらず一つのオプション」と述べたというのである。それを読んで私が驚いた理由の一つは、先月のキリンチャレンジカップの対ベネズエラ戦に酒井選手が招集されていたので、ドイツ代表に入る可能性は消滅したと思っていたからである。どうやら日本の代表戦に招集されただけでは影響はないらしい。

もう一つの理由は、仮に酒井選手にドイツ代表入りの権利があり、その意向があったとしても、そんなことを今いわなくてもよいのになあと思ったからである。だが、その後の報道では、ドイツ代表入りのニュースについて「だいぶ盛られた」と酒井選手がいったそうなので、意図的な虚偽報道だったのかもしれない。ドイツ人というのはあまり下手な小細工を弄さない人たちだと思っていたが、権謀術数が渦巻くサッカー界ではこんなことも当たり前なのだろうか。

さて、昨日の国際Aマッチデーのアラブ首長国連邦(UAE)代表との親善試合に、酒井高徳選手は日本代表として後半34分から試合終了まで出場した。これによって酒井選手のドイツ代表入りの可能性が消えるのか否かについて、相反する報道がなされている。同じスポニチが全く逆のことをいっているのが興味深い。

「…日本代表で国際Aマッチに出場すれば、ドイツ代表入りの道は完全に断たれることになる…」

「今回、日本代表として国際Aマッチデビューを果たしたことでドイツ代表入りの資格が自動的に消えた。」

「…UAE戦で国際Aマッチデビューしても公式大会でないため、ドイツ代表入りの道は残る…」

一体どちらが正しいのかよくわからないので、調べてみた。ウィキペディアの「国際Aマッチ」の項目には以下のとおり書かれている。

「国際Aマッチ(親善試合を除く)及び年代別代表公式戦に一度でも出場した経験を持つ選手は、後述する重国籍者(複数国籍保持者)等の場合を除き、その後国籍の変更や追加をしても、その国の代表にはなれない(国籍の変更や追加をする理由の多くは、欧州リーグの外国人枠から外れるためである)。また、重国籍者の場合でも、一度でも国際Aマッチ(親善試合を除く)に出場した後は既に保持している別の国籍の代表にはなれない…現在のFIFA規則[8]では、他の例外規定はない」

これが正しいとすると、今回の試合は親善試合なので、酒井選手にはまだドイツ代表入りのチャンスがあることになるだろう。

念のため、FIFA規則の最新版と思われるFIFA Statutes July 2012 editionのREGULATIONS GOVERNING THE APPLICATION OF THE STATUTESの章の重国籍者等に関する例外規定である第8条第1項をみると、以下のとおり定めている。 
 
---------------------------------------------------------------- 
If a Player has more than one nationality, or if a Player acquires a new nationality, or if a Player is eligible to play for several representative teams due to nationality, he may, only once, request to change the Association for which he is eligible to play international matches to the Association of another country of which he holds nationality, subject to the following conditions:
a) He has not played a match (either in full or in part) in an official competition at “A” international level for his current Association, and at the time of his first full or partial appearance in an international match in an official competition for his current Association, he already had the nationality of the representative team for which he wishes to play.
b) (略)

(拙訳)
選手が複数の国籍を有する場合、または選手が新しい国籍を取得した場合、または選手が国籍によりいくつかの代表チームのために出場する資格を有する場合、当該選手は、以下を条件として、1回に限り、当該選手が国際試合への出場資格を有する協会を、当該選手が国籍を有する別の国の協会に変更することを要請することができる。
a)当該選手がその現在の協会のために「A」国際レベルの公式大会における試合(全部か一部かを問わない)に出場したことがなく、その現在の協会のための公式大会における国際試合への最初の全部または一部の出場時に、当該選手が出場を希望する代表チームの国籍を既に有していたこと。
b)(略) 
---------------------------------------------------------------- 
 
「公式大会(official competition)」とはどの範囲を指すのか疑問が残るが、素直に解釈すれば、今回酒井高徳選手が出場した対アラブ首長国連邦戦は「A」国際レベルではあっても、「公式大会」の試合ではないだろう。従って、スポニチアネックスの最後の記事が書いているように、酒井選手にはいまだに、出場資格を有する協会を日本サッカー協会からドイツ・サッカー協会に変更する権利があるように思われる。もちろんどちらを選ぶかは酒井高徳選手の自由なのだが、上記のゲキサカの記事のタイトルのように「ドイツ代表の話はもう終わり」ということであれば、日本のサポーターとしては何よりである。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 決勝トーナメント準決勝 日本対ドイツ 9月4日(火)19:30 会場:国立競技場 [観戦]

この試合は、前の試合のナイジェリアの応援席から、バックスタンドに移って観戦した。試合前に応援団みたいな人達(宇都宮徹壱さんのコラムによると「U-20女子W杯盛り上げ隊」というらしい)が、日本選手の名前、ポジション、そして背番号を記したチラシを配布していて、これは本当に有り難かった。
 
私の席からはドイツ選手の試合前練習がよく見えたのだが、一目見てこれはやばいかもと思った。とにかくドイツ人選手は体がでかかった。単に背が高いだけでなく、横幅もがっしりしていた。彼らのユニフォームが膨張色の白であったためにそう見えたのではないと思う。悪い予感が当たってしまい、試合の方は前半だけでヤングなでしこが3失点という非常に残念なことになった。

さらに私にとっては、座った席が非常に悪かった。隣にいたのが、かなりイタい若い男女だったからである。例えていうと、アニメのちびまる子ちゃんの同級生の野口さんのお兄さんとその彼女のようなタイプ、つまりDQNである。「オレ、ボランチやってたからさあ」という男の方は、試合を観ていればわかることをいちいち説明して、上から目線で選手のダメ出しをする。それに女の方が馬鹿みたいに相づちを打つ。日本が勝っていればいいのだが、完全に押されている試合だけに余計に癪に障って、観戦に全く集中できない。私と同じことを感じたのだろう。私の前の席にいた人はハーフタイムになるとどっかに行ってしまった。

どうでもいい話ではあるが、そのバカップルの男の方は、オリンピックのサッカーの試合のレポートを提出するとかいっていた。サッカーライターの学校にでも通っているのだろうか。ひょっとして最近やたらと広告が目に付くセルジオ越後の学校だったりして。もしそうだとすると、セルジオは自分のクローンを養成しようとでもしているのだろうか。でも、あの手の批評家はセルジオ一人で既に供給過剰だと思うぞ。

ま、それはともかく、私もハーフタイムに席を移動したのだが、低い席はほぼ満員だったので、ドイツ側陣地に近いバックスタンドの最上部の席に移動した。意外にこれが正解だったのは、上から眺めると、特に守備のときにドイツチームの陣形がいかにコンパクトかがよくわかったからである。ドイツのディフェンスの選手達は、まるで動く壁のようだった。本当に質実剛健なサッカーで、ユーロ2012におけるドイツの男子サッカーよりもドイツっぽいなあと思った。

後半はヤングなでしこも何回かチャンスを作ったのだが、ドイツの鉄壁の守備を崩すことは結局できなかった。素人ながら私が思ったのは、ドイツは陣形をコンパクトにしていただけに、ディフェンスの裏には広大な無人のスペースが広がっていたが、そこを利用することはできなかったのかということである。ドイツのディフェンスの選手達は足もかなり速かったので、裏へのパスが成功する確率は低いかもしれない。が、フル代表のなでしこジャパンがよくやるように、何回も裏にロングボールを蹴り込んで、相手を間延びさせる戦術をとったらどうなるのか観てみたかった。

決勝戦はドイツ対アメリカとなった。解説者の大竹七未さんは、確かフジテレビの『スポルト』で日本を負かしたドイツに勝ってほしいといっていたが、私は逆にアメリカを応援したい。アメリカとナイジェリアの準決勝を見た限りでは、明らかにドイツの方が強いと思う。実際にグループリーグでは、ドイツがアメリカに3対0で大勝している。だがそれだけに、完全無欠に見えるドイツにアメリカがどんな風に立ち向かうのかが楽しみなのである。ただ、この決勝戦は今のところ、地上波とBSではテレビ放送の予定がないらしいのが残念である。

3位決定戦はヤングなでしことナイジェリアである。ナイジェリアよ、申し訳ないが、今度ばかりは日本を応援する。お互いのいいところを出し合う試合になればいいなあと思う。となると点の取り合いであろうか。
 
(追記)
アメリカとドイツの決勝戦はこの日の深夜に録画放送することになったらしい。有り難いことである。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 決勝トーナメント準決勝 ナイジェリア対アメリカ 9月4日(火)16:00 会場:国立競技場 [観戦]

ナイジェリアというとまず思い浮かぶのは、ボビー・オロゴンである。K-1に参戦したときの身体能力には本当に驚いた。それからジュジュ・ミュージックのスター、キング・サニー・アデ。ユーチューブで久し振りにアデを聴いたら、やっぱりいい。ワールド・ミュージックのブームの頃買い集めたLP盤がかなりあるから、久し振りにレコード棚を探してみるかなあ。それに民族紛争のイメージも強い。この国の紛争のニュースを最近はあまり聞かないが、ウィキペディアによると残念ながら今でも起きているようだ。

あと、忘れられないのがナイジェリア詐欺。勤め人だった頃、上等なのか安物なのかわからない色付きの便箋に「秘密資金に投資しないか」といった内容が手書きされた怪しい手紙がこの国からよく会社に届いていた。ときにはお仲間とおぼしき人から電話もかかってきた。英語なのだが強烈に聞き取りにくい。そして、ギャングの親玉のようなドスのきいた低い声で「社長を出せ」といってくる。社長は外出中だとか何とかいってお引き取り願うのだが、しつこくて手に負えないのは根負けして、秘書課に回してしまった。それにしても秘書はどう対処したんだろう。

そんなこんなで全体的にナイジェリアに対しては、ネガティブなイメージがポジティブさをやや上回って、何だか得体の知れない国という印象を持っていたのだが、まさかこの国のサポーター席に座って一緒に応援する日が来るとは思いもよらなかった。それほど私には前の試合での彼らの応援風景が印象的だったのである。
 
今回間近で確認したナイジェリア・サポーターの音楽隊の構成は、トランペット2本、サックス1本、バスドラム1つ、スネアドラム2つ、巨大なヒョウタンに砂利か何かを入れたようなパーカッション1つ、高い音がする小さな手作りらしい金属製の打楽器1つ、ボンゴのような革張りのスティックで叩く打楽器1つといったところ。それに、蛇のように曲がりくねった謎めいた黒いホーンがあった。少しブブゼラに似た感じの低い音が鳴っていたのは、これだったのかもしれない。

ナイジェリアに比べるとアメリカ側の応援席は実に閑散としていて、アメリカの選手が気の毒な程である。もう少し頑張れよ、在日アメリカ人。私は、日本を別にすると女子サッカーで好きなのはアメリカなのだが、今回はナイジェリアに浮気してしまった。

音楽に気を取られて、試合を観るのが少しおろそかになってしまったが、ナイジェリアは縦パスやこぼれ球への反応が非常に速い。ドリブルも上手く、ボールを持つとなかなか奪われない。前半から何回もチャンスを作るのだが1点が遠かった。そうこうしているうちにアメリカがフリーキックから1点。後半にも、確か裏への飛び出しから1点を追加、そのまま試合は終了し、少ないチャンスを確実に決めたアメリカが決勝進出することになった。アメリカの少女達は二十歳以下の割になかなか老獪という印象である。また、ナイジェリアにはディフェンスに少し隙があるようにも感じた。

試合後にナイジェリア・サポーターがみんなで大声で国歌を合唱していたのが印象的であった。また、日本の完敗に終わった次の日本対ドイツの試合が終わって、日本人サポーターの行列がとぼとぼと千駄ヶ谷駅に向かう道すがら、鳴り物を鳴らして騒いでいるナイジェリア人の集団がいた。あの屈託のなさは本当に羨ましい。
 
試合前の国歌演奏。  
120904_1554~01.jpg 
 
試合中。 あまりに楽しそうなせいか、日本のサポーターも加わってきた。
120904_1710~01.jpg
 
試合中。
120904_1704~01.jpg 
 
試合後に選手達が応援席に挨拶。 
120904_1753~01.jpg
 
試合後の国歌の大合唱。 
120904_1756~01.jpg

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 決勝トーナメント準々決勝 日本対韓国 8月30日(木)19:30 会場:国立競技場 [観戦]

日本が勝って本当に良かった。やはり韓国にはラフプレーが目立ったが、日本の選手が怪我をしなかったので一安心である。柴田華絵による最初の2点も見事だったが、連係プレーでディフェンスを崩し切った田中陽子選手の3点目は、個人技によるシュートが多く印象に残っているせいか凄く新鮮に感じた。失点もあったし、特に後半はミスも目立ったように感じたが、全体を通してディフェンス面でのいいシーンも多かったように思う。

ところで、試合中にバックスタンドから何度もゴール裏の日本側応援席を見たが、旭日旗は一度も見かけなかった。話題になっていたので意外だったが、どうやら半ば強制的に禁止されていたらしい。前の試合のナイジェリア・サポーターによる応援は実に情熱的だったが、そのナイジェリアでは、『サッカーの世紀』(後藤健生著/文藝春秋)によるとサッカーが国民統合の道具として使われている。そして対外的には、サッカーはときに、後藤健生さんの表現を借りれば「戦争の代償行為」としての側面を併せ持つ。応援に対してある程度の規制を行うのはやむを得ないだろうが、規制は明確かつ一貫したものであるべきだろう。

日本サッカー協会はホスピタリティを示そうとしたのであろうか。しかし、何をしたところでホスピタリティを感じるような相手ではないだろう。曖昧な態度をとれば、日本に言いがかりをつけることが本能と化している隣国は、ますますかさにかかって新たな要求を突きつけてくるだけだろう。私は、応援するときに日章旗も旭日旗も振らないし、代表のユニフォームも着ない人間だが、過剰な規制はサッカーが持つ熱気をそぐことになりかねないと思う。そもそも国家というものがなければ、国家代表チームなるものも存在し得ない。これまでずっと問題視されておらず、ほんの数日前に自ら問題なしとしていた行為を禁止したのだから、日本サッカー協会はきちんとした理由説明を行うべきだろう。
 
日韓戦は勝っても負けても後味が悪いが、今回のそれは日本サッカー協会のせいである。 
 
サッカーの世紀

サッカーの世紀

  • 作者: 後藤 健生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 単行本
サッカーの世紀 (文春文庫)

サッカーの世紀 (文春文庫)

  • 作者: 後藤 健生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 文庫
 
 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 決勝トーナメント準々決勝 ナイジェリア対メキシコ 8月30日(木)16:00 会場:国立競技場 [観戦]

国立競技場のチケット売り場には、ナイジェリア・サポーターとおぼしき黒い肌の男達がやけに目に付いた。日本にはこんなにナイジェリア人がいたのかと驚くほどであった。試合開始の笛が鳴ると、ゴール裏のナイジェリア応援席ではトランペットとパーカッション、それに歌声も加わったコンサート兼ダンスパーティーが始まった。それが実に楽しそうで、私はバックスタンドにいたのだが、彼らの音楽を聴きに席を移動したくなったぐらいである。それを最高気温36度という猛暑日に試合の間中ずっと続けているのだから、応援団の方もものすごい体力である。

後半開始直後は演奏が始まらないので、試合よりもそっちが気になっていると、しばらくしてトランペットがソロで吹き始めた。それに少しずつ打楽器が合わせ始め、やがて歌も歌い出した。みんなで一斉にというのではなく、いかにも気分任せという感じで徐々に盛り上がっていくのがアフリカっぽいなあと思った。そして、押し気味に試合を進めながらも1点が遠かったナイジェリアが延長後半にようやく先制したとき、ナイジェリア応援団の熱狂は最高潮に達した。

メキシコに対しては、もうロンドン・オリンピックで男子日本代表が負けた恨みはない。が、ナイジェリアの応援団の一生懸命に応援している姿にはどうしても感情移入してしまうし、もっと彼らの音楽を聴けるようナイジェリアに勝ち進んでほしいと思った。私のその願いが通じたのか、そのままナイジェリアが1点を守り抜いて準決勝進出を決めた。アフリカのサッカーというと肉体的能力に優れているというイメージが強いが、ナイジェリアの女子U20のチームは、個人技だけでなくチームとしても非常にまとまりがあると思った。

たまたま今読んでいる『サッカーの世紀』(後藤健生著/文藝春秋)には、アフリカのサッカー強豪国であるナイジェリアのサッカー事情が書かれている。他の多くのアフリカ諸国と同様、欧米列強が引いた人工的国境線によって形成されたこの国では、民族間の内紛が絶えなかった。1967年には南東部のイボ族が「ビアフラ共和国」として独立を宣言したものの、ヨルバ族とハウサ族が支配する連邦政府に敗北し、数百万の餓死者と難民を出す事態となった。そうした歴史を持つナイジェリアでは、各民族から選抜されたサッカーのナショナル・チームが国民意識の形成、国民統合のツールとしての役割も担っているということである。
 
ちなみに劇画のゴルゴ13シリーズには、このビアフラ紛争を題材として民族間の激しい憎悪が生み出す悲劇を描いた『飢餓共和国』(SPコミックス・ゴルゴ13シリーズ第5巻『帰って来た標的』所収)という佳作がある。もちろんフィクションではあるが、その陰惨な希望のない結末の物語を改めて読んでみると、今ナイジェリアのサポーター達があそこまで熱狂する理由が少しわかるような気がした。
 
サッカーの世紀

サッカーの世紀

  • 作者: 後藤 健生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 単行本
    サッカーの世紀 (文春文庫)

    サッカーの世紀 (文春文庫)

    • 作者: 後藤 健生
    • 出版社/メーカー: 文藝春秋
    • 発売日: 2000/07
    • メディア: 文庫
ゴルゴ13 (5) (SPコミックス)

ゴルゴ13 (5) (SPコミックス)

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: コミック

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 グループA 日本対スイス 8月26日(日)19:20 会場:国立競技場 [観戦]

試合開始直前、スイス選手がメインスタンドに近いあたりで円陣を組み、気勢を上げると、その声が私のいたバックスタンドにまで響き渡って、観客席からどよめきと拍手が起こった。スイスの気合いの入り振りにひょっとしたら難しい試合になるかもしれないと感じたのだが、終わってみると杞憂であった。この前に行われた試合のブラジル選手達のボールさばきも見事だったが、ヤングなでしこ達の方が断然上だと思った。前半30分までは、スイスの堅守に阻まれて点が取れずやきもきしたが、完全に試合はコントロールしていたので、負ける感じは全くしなかった。

田中陽子選手の前半30分と後半2分の直接フリーキックは本当に目が覚めるような見事なゴールだった。一つの試合の中で左右両足でフリーキックを決めた選手は見たことがないと多くの評者がいっている。そんな歴史的なシュートの場面に居合わせることができて本当に感激だ。後半7分の西川明花選手のシュートには、まさかあの体勢で打つとは思わなかったので、不意を突かれた。後半39分に猶本光選手が自ら得たペナルティ・キックを決めたが、 猶本選手へのパスは横山久美選手から出たものであった。私がいた席は、後半に横山選手が左サイドでプレイしている場所に近かった。この人は、いつも堂々と、本当に楽しそうにプレイしていて、見ているこっちも楽しい気分になってくる。

試合が終わった後、スイスの選手達がグラウンドを回って観客に挨拶に来てくれた。3戦全敗だというのにみな笑顔でいてくれて、そのサービス精神には感銘を受けた。スイス人らしき男の人も出てきて、スタンドに自分のシャツを投げ入れていた。そのときは何をしているのかと思ったが、宇都宮徹壱さんのスポーツナビのコラムによると、スイスの監督さんが観客とシャツ交換をしていたらしい。

観客数は約1万7千人ほどだったらしいが、主催者にとっては予想外の大人数だったのかもしれない。試合に興奮して喉が渇いたので、ハーフタイムにかき氷を買いに行くと、もう売り切れていた。次の試合からは、もう少し多くの屋台を出して欲しいものだ。それと、全チームの全選手の名前とポジションを記した無料のパンフレットがもらえるのは大変ありがたいのだが、惜しむらくは選手の背番号が入っていない。日本人、外国人を問わず、いいプレーだなあと思ったときに、その選手の名前がわからないのは少し残念である。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20 女子ワールドカップ ジャパン2012 グループB 韓国対ブラジル 8月26日(日)16:20 会場:国立競技場 [観戦]

入場口のあたりで、ペットボトルと缶飲料は持ち込めない旨のアナウンスが流れていた。ピッチに投げ込むことを防ぐためだろうから、まあ仕方ないと思う。だが、スポンサーであるコカコーラの製品はキャップを外せば持ち込めるらしい。南アフリカのワールドカップでスポンサーのライバル企業が観客を利用した広告合戦を繰り広げたためかもしれないが、明らかに不公平だし、やり過ぎだと思う。かえってコカコーラなんか二度と飲むかという気になる。

試合の中身はあまり憶えていないが、ブラジルの選手達は明らかに韓国の選手よりも上手いと感じた。前半はほぼゲームを支配していたし、決定的なチャンスも3回ほどはあったと思う。だが、ブラジルはなかなか得点できない。セットプレー後のゴール前の混戦から1度ネットを揺らせたのだが、オフサイドだったのか、ゴールが認められなかった。ここで先取していれば、試合の結果も違っていたかもしれない。

スタジアムに来るといつも妙に腹が減るのだが、ハーフタイム中は屋台に行列が出来ていて何も買えなかった。後半戦が始まってから富士宮焼きそばを買って戻ってきたら、ちょうど裏に抜け出した韓国選手が1点決めるところだった。ブラジルを応援していた私としては大変残念だったが、焼きそばの方は麺がもちもちしていて予想以上にうまい!富士宮焼きそばの本場である富士川サービスエリアで食べたのよりも美味しかった。

それはともかく、その後は前がかりになったブラジルの隙を突き、韓国がサイドからのクロスボールにフリーの選手が合わせて追加点。ブラジルは必死で反撃するも結局1点も取れなかった。試合終了の笛が鳴った瞬間、よほど悔しかったのかブラジルの選手が一人ピッチの上に突っ伏してしまい、そのまましばらく動かなかった(ドイツ・ワールドカップでの中田ヒデほど長い時間ではなかったが)。他のブラジルの選手達もろくに握手もせずにそそくさとピッチから去っていった。試合中に一度、ブラジルの選手が出したボールを韓国が返さないというシーンがあったせいかもしれない。

私はバックスタンドで観戦していたのだが、試合中に応援団長みたいな人が、韓国とブラジルの双方にエールを送るよう観客に呼びかけていた。もちろん試合前の国歌演奏のときは起立もするし拍手もする。でも、いくらなんでも自分が「デーハミングォ、チャチャッチャ、チャッチャッ」をやるのは、あまりに偽善的に感じて私にはできなかった。

さて、いよいよ明日は日韓戦。本当に嫌だ。日本人選手が怪我をさせられるシーン、侮辱的なゴール・パフォーマンス、政治的なプラカード…どれを見せられても、気分の悪さが1週間は続くだろう。だが、この大一番に現地で応援せずに何とする。明日はどんな嫌な目に遭おうともという覚悟で国立競技場に行く。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

FIFA U-20女子ワールドカップ group A 日本対メキシコ 第1節 2012.08.19 19:20 KickOff 宮城スタジアム [観戦]

メキシコの男子サッカーは、体格面で日本と似ているし、パスをつないでくるサッカーなので、今まで何となく親近感を抱いていた。だがそれでも、ロンドン・オリンピックの準決勝で関塚ジャパンの快進撃をタコス野郎どもに止められた恨みは忘れられない。江戸の敵を長崎で討つような話であるが、昨日の女子U-20ワールドカップでヤングなでしこがメキシコに4対1で快勝したのは、正直いってスカッとした。4対0になったとき、ちょっとメキシコ選手が可哀想だなあと一瞬思ったら、ロスタイムに1点返されたので、やはり油断は禁物である。

後半5分に猶本光選手が右足で左隅に決めた30メートルのミドルシュート、同32分の横山久美選手が右足で右上隅ぎりぎりに流し込んだシュートは本当に素晴らしかった。吉田弘監督は、あまり細かい決まり事を設けずに、選手達に自由にプレイさせる方針を採っているらしいが、確かに選手達がのびのびと思い切りやっている感じがすごく伝わってくる。

横山選手のゴール・パフォーマンスは、タカアンドトシの「オレだオレだオレだ~」だった。吉田麻也に続くお調子者の登場か。昨日の深夜にフジテレビでやっていたU-20ワールドカップの特集番組によると、横山選手の好きな食べ物は「おばあちゃんの手料理」、特にニンニク唐揚げだそうだ。これはニンニクで下味を付けた唐揚げではなくて、ニンニクと鶏肉を一緒に揚げたものらしい。ニンニクを丸のまま揚げて食べるのであろうか。豪快なシュートを決める選手は、食べ物の好みも豪快ですなあ。

昨日行われた他チームの試合のダイジェスト映像を見た限りでは、ナイジェリアが強そうだなあと思った。ナイジェリアのゴール・パフォーマンスは、両手を組んで下に伸ばす「キャイーン・ポーズ」みたいなもので面白かった。決勝トーナメントでヤングなでしことナイジェリアが当たったら、お笑いゴール・パフォーマンスの競演が見られるかもしれない。ま、向こうにはパフォーマンスさせないのが一番だが。

宇都宮徹壱さんは、スポーツナビのコラムで「福島での壮行試合では、彼女たちのテクニックが、先輩たちのそれをはるかに凌駕(りょうが)するものであることが判明した」とヤングなでしこを大絶賛である。テクニックがはるかに凌駕するかどうか、素人の私にはわからないが、機会があれば、なでしこジャパンとヤングなでしこのガチの勝負を是非やってもらいたい。昨日の試合を観ていてそう思った。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

駒野友一選手のこと他 [雑記]

南アフリカでの2010ワールドカップの後の(確かM-1での)ナイツの漫才。こちらからのコピペ。

土屋:終わったあとね、いつまでも言ってる人いるんですよね!
塙 :「何で岡田監督は、後半からあの選手を起用しなかったんだ!」とか
土屋:こう、サッカー詳しいふりしてね、いつまでも言ってる…
塙 :そういうことを言うね、一部のファンがいたんですよ~
土屋:聞くに堪えないです、ああいうのはね!
塙 :そういうこと言ってもキリが無いと思うんですよね
土屋:頑張ったんですからぁ
塙 :日本代表が負けたのはさあ、
土屋:うん
塙 :駒野選手がPK外しちゃったから負けちゃったんですよね~!
土屋:それ一番言っちゃいけないやつだよ、お前!
塙 :みなさんねぇ!?
土屋:それ一番言っちゃいけない、最低だよお前それお前!
塙 :だからねぇ、駒野以外誰も悪くなかったわけですから
土屋:だめなんだって、だからぁ、その言い方がダメなんだよ!
塙 :何で外しちゃったんですかね!?
土屋:やめてくださいホントに!…いや、頑張った!ベスト16ね!すごい!
塙 :あ、そうですね!

なんてひどいこといいやがると思いつつ、大笑いしてしまった。タブーに触れる快楽っていうは確かにあると思う。「ナイツ」と「駒野」で検索すると、いろいろな意見が出てくるから、ナイツの方もかなりのリスクを負って、あのネタに挑戦したのだろう。

それはともかく、あのPK失敗以来、駒野友一選手のことが気になってしようがない。代表戦でも、ジュビロ磐田の試合でも、駒野選手が出ていると、つい目で追って心の中で応援してしまう。サッカーには興味のなかった私の母ですら、あのパラグアイ戦を観てからは「駒野が一番好き[黒ハート]」といっているぐらいだから、日本中にそういう人がいるのだろう。だから、先日のベネズエラとの親善試合前半に駒野選手が見せた股抜きドリブルからの遠藤保仁選手への見事なアシストは本当にしびれた。

試合の方は後半に同点に追い付かれ、そのまま終了してしまったのが残念だったが、やっぱりフル代表は上手いなあと思った。宮市亮選手や酒井高徳選手を出さなかったことに不満の声もあるようだが、私は全体的に、サッカーには経験も大事なんだなあと感じた。次の親善試合では、若い選手の出場可能性を増やすため、スタメンには是非頑張ってもらい、前半中に大差を付けて勝負を決めてほしいものだ。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

サムライDays、欧州Days(吉田麻也著/学研マーケティング) [書籍]

先日のロンドン・オリンピックでの3位決定戦、最初の失点は、吉田麻也選手が目測を誤ったことによるクリアミスからのものである。せっかく、この間のブログで褒めた途端にこれだからなあ~。税込み1400円も出して買った吉田選手の『サムライDays、欧州Days』、アマゾンのマーケットプレイスで1円で叩き売ってやろうかと思ったが(笑)、ま、気を取り直して読んでみた。

全体的な感想をいうと、語り口が等身大というか飾り気がなくて、いい本だなあと思った。プロのサッカー選手というのは、こういう経験をして、こういうことを感じながら生まれてくるのかというのがすごくよくわかった本であった。

半分弱は吉田選手のこれまでのブログを加筆したもの、残りが書き下ろしという構成である。ブログの方は、吉田選手が客寄せパンダにしている内田篤人選手の話で一章が設けられている他、書き下ろしには「吉田麻也×内田篤人スペシャル対談」なるものもあって、ウッチーをとことん利用している(笑)。しかしこの二人、本当に仲むつまじいなあと感じるのだが、ときにはウッチーのあまりの我が儘振りに麻也が「キレそうになる瞬間」があって、ウッチーの方から「ごめん」と謝ったりするらしい。恋人同士かっ!!あ、誤解のないようにいっておくと、二人の間にあるものはあくまで「男の友情」だそうである。それに麻也は高校時代、女の子と付き合ったこともあるのだ。とても淡い恋だったらしく、しかも書き方も淡いので、どんなものだったのかはさっぱりわからないが…。

吉田選手が名古屋グランパスのジュニア出身だという話は知っていた。てっきり、サッカー選手になるのが夢のバリバリのサッカー少年だと思っていたら、そうでもなかったらしい。お兄さんが送ってくれたグランパスのセレクション応募用紙を出してダメもとで受けたら合格してしまい、故郷の長崎を出てお兄さんと二人で愛知県に住むことになったのである。それでも「ダメだったら、1年ぐらいで帰ればいいや」という安易な考えでいた麻也少年であったが、お兄さんと近所のジャスコへ新居用の電化製品や家具を買いに行ったとき、その何十万にもなる合計金額をみて「オレはプロサッカー選手になる」という強い決意が生まれたのだという。麻也くんは本当にいい子だったんだなあと思う。このくだりは真実味があって、この本の中で私が最も好きなエピソードである。

吉田選手がグランパスからオランダのVVVフェンロに移籍直後に大きな怪我をした話は有名である。この本を読んで、それが吉田選手にとってどれほど深刻なものであったのかがよくわかった。意気揚々と海外に移籍した途端の骨折、しかもなかなか直らない。私には想像もつかないが、本当に不安だっただろうと思う。そして、ようやくチームに復帰しても出場機会はあまりなかったらしい。また、チームのレベルも自分の期待していたものとは違い、吉田選手は周りにかなり愚痴っていたようだ。そんな吉田選手にアドバイスしてくれたのが、ザックジャパンの守護神、川島永嗣選手だったそうである。川島選手って職場の先輩にいたらさぞかし煙たいタイプだろうなあと私は常々思っていたのであるが、肝心なところでビシッと決めてくれるのはさすがである。また、こういう時期の吉田選手をアジアカップのディフェンスとして抜擢するザッケローニ監督というのも目のつけどころが違うなあと思った。

最後に、吉田選手のグランパス入団会見でのエピソード。とにかく目立ちたかった吉田選手は、当時大流行していたタカアンドトシの「欧米かっ」をもじったギャグを披露してダダ滑りしたのである。このときの映像は何かの番組で見たことがある。そうか、あれは吉田麻也だったのか。吉田くん、君はあの頃からするとサッカーも多少…いやかなり上手くなったのかもしれないが、お笑いの腕の方は間違いなく飛躍的に向上していると思うぞ。でもね、ちょっと意地悪な感想をいうと、ギャグを考えたり、ブログ書いたり、テレビに出たり、本を出したりせずに、サッカー一筋に精進していたら、この間のオリンピック3位決定戦でのミスはしなかったかもよ~(笑)。しかしそれでも、インタビューも受けずに、いつもブスッとして、何を考えているのか分からない選手よりは、私は吉田選手みたいなタイプの方が断然好きである。

さて、吉田選手はオリンピックでの敗戦のあと「この借りはA代表で返したい」と述べたそうである。いいこというねえ。その意気で是非頑張ってほしい。でもなあ、ワールドカップ予選でまたチョンボしやがったら、そんときは本当にこの本1円で売っ払ってやるからな!…といいたいところなのだが、このブログのネタになりそうな情報が満載なので、たぶんできないと思う。
 
サムライDays、欧州Days

サムライDays、欧州Days

  • 作者: 吉田 麻也
  • 出版社/メーカー: 学研マーケティング
  • 発売日: 2012/03/06
  • メディア: 単行本
 

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

スポーツ選手のセカンド・キャリア [雑記]

今日、TBSの『ひるおび!』を見ていたら、今回のオリンピックでメダルを取った選手達がいくらお金をもらえるのか、例えば、協会からいくら、所属企業からのボーナスがいくら、といった実に下世話な企画をやっていた。その中で、経済評論家?の荻原博子という人が、メダリストに月7万円の年金を支払う韓国を見習えと発言していた。将来に不安を抱えながら努力している選手達に励みとなるということらしい。そして、それに弁護士の八代英輝が賛同していた。ここで馬鹿らしくなってチャンネルを替えたので、あとの議論がどうなったのかは知らない。

そもそも自分の将来をどうするかは選手自らが考えるべきことである。自分にとって割に合わないと思えば、いつでも止めればいいだけのことで、他の職業と同じである。今読んでいる吉田麻也選手の『サムライDays、欧州Days』によると、吉田選手は、名古屋グランパス時代の同僚の竹内彬選手と会うたびに「将来何がやりたいか」について話し合うそうである。そして次のように書いている。

「ものすごくリスキーな職業であることは、頭ではわかっている。でもサッカーが心から好きなので、『やめる』ことは容易にできない」

メダリストだけがスポーツ選手ではない。たまたまコンディションが悪くてメダルを取れなかった選手もいれば、怪我のために心ならずもオリンピックに出られなかった選手だっているだろう。セカンド・キャリアというのは、そうした選手も含むスポーツ界全体の問題だと思う。今から10年以上前の本であるが、『日本サッカーはほんとうに強くなったのか』では、選手時代に指導者・審判の資格を取らせる、またあるクラブでは選手にボランティアに行かせる、といった事例が紹介されていた。おそらく今では、もっと様々の取組みが行われているだろう。

ニンジンをぶら下げて、一握りのトップ・アスリートにそれを与えるような雑なやり方ではなく、選手全体にとってメリットとなり、個々人の人生が有意義となるような方法を考えるべきではないだろうか。 
 
サムライDays、欧州Days

サムライDays、欧州Days

  • 作者: 吉田 麻也
  • 出版社/メーカー: 学研マーケティング
  • 発売日: 2012/03/06
  • メディア: 単行本
 
日本サッカーはほんとうに強くなったのか

日本サッカーはほんとうに強くなったのか

  • 作者: 大住 良之
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本
 
日本サッカーはほんとうに強くなったのか (中公文庫)

日本サッカーはほんとうに強くなったのか (中公文庫)

  • 作者: 大住 良之
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 文庫
 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

なでしこジャパンはなぜ強い―メディカルの視点から [雑記]

先日訪れたサッカーミュージアムの入り口付近に「スポーツゴジラ」という無料の小冊子の第19号が置いてあった。その中に「なでしこジャパンはなぜ強い―メディカルの視点から」という興味深い記事があった。なでしこジャパンの「走るサッカー」へのメディカル・スタッフの貢献に関するもので、書いたのは松田貴雄さんという西別府病院のスポーツ医学センター長をされているお医者さんである。

松田先生は、2008年にU-17の合宿に帯同していたとき、ある「走れなくなった」選手が鉄不足になっていることを発見する。体が活動するには酸素が必要だが、酸素が体内を運ばれるには、血液中に酸素と結合する鉄の存在が不可欠である。高校生になりフィジカルを鍛え始めると、増加した筋肉にかなりの量の鉄が持って行かれるため、通常の食事では補えない鉄不足に陥る傾向があるというのである。

この問題を提起しても、協会も栄養士さんも既に十分な栄養管理を行っていたため、最初はなかなか理解されなかったらしい。だがその後、他にもフェリチン(鉄貯蔵蛋白)不足の選手が発見され、鉄剤のサプリメントがU-17の合宿には置かれるようになった。さらに、鉄不足の予防の重要性について、佐々木則夫監督を含め各世代の指導者も共通認識を持つようになった。そしてそれがなでしこジャパンの「走るサッカー」に貢献したという大変結構なお話である。

確かに女子サッカーでは、試合中に足が止まる日本人選手はあまり見ないように思う。が、問題は男子である。ロンドン・オリンピックのメキシコ戦後半では、選手は全体的にかなり疲れているように見受けられた。

「選手は必死に走っているつもりでも、パフォーマンスが上がらない。外見からはどう見ても貧血とは思えない選手に対して、『さぼっている』という見方しかしてこなかった…」(本文から)

メキシコ戦のあとの男子代表に対しても、ネット上ではこういう見方のオンパレードで、本当に選手達が気の毒だった。短い期間での連戦で、彼らはあれが限界だったのだと思う。メディカル・スタッフも出来る限りのことをしてくれたのだろう。でもまさか、鉄不足じゃないでしょうね。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

国際親善試合~ふくしまからはじめよう。~U-20日本女子代表 対 U-20カナダ女子代表 2012年8月13日(月)19:00キックオフ @福島県/あづま総合運動公園陸上競技場 [観戦]

日曜深夜のフジテレビの『クールジャパンフットボール』が、このU-20女子ワールドカップの特集だった。ゲスト出演していた宇津木瑠美選手が「若いのでチーム力は成熟していないが、個人の力でどれだけやれるかをみてほしい」と語っていたが、いやいやどうして、パス回しの連携も非常にいいと思った。だが一方で、宇津木選手がいうように、ヤングなでしこ達はドリブルでがんがん仕掛けていくし、遠いところからでも積極果敢にシュートを打っていくので、フル代表のなでしこジャパンとはまた違う面白さを感じたというのが、全体的な印象である。

試合会場は福島県あづま総合運動公園というところで、テレビの画面を通して蒸し暑さが伝わってくるようだったから、緯度の高いカナダの選手達は大変だっただろう。序盤は、両チームとも積極的に相手にプレスをかけにいく拮抗した状態が続いたが、15分過ぎから日本のパスが回り始めた。20分、ペナルティ・エリアの左のかなり遠い位置から横山久美選手がゴールの右上隅に見事なシュートを決めて日本が先制した。横山選手というと、FIFAの最優秀ゴール賞の候補にもなった4人抜きのゴールが有名であるが、これも凄いシュートだった。その後も日本が押し気味に試合を進めて前半終了。

後半も日本のペースが続いたのだが、後半13分にカウンターのロングボールからシュートを決められ、同点に追い付かれた。その後40分に、田中陽子選手のかなり遠い位置からの正確無比なフリーキックが相手のオウンゴールを誘ってリードするも、その直後に失点してしまい、結局引き分けで試合終了。

来場者数は8000人を超えたそうで、これはU-20世代の試合としては異例の数字らしい。親善試合というのは、必ずしも勝利だけが目的ではないと思うが、出来れば福島の人に勝利をプレゼントして欲しかったかな。失点は、ハーフタイム後にゴールキーパーを含めディフェンスを3人替えてからのものなので、ディフェンス全体の連携という面では課題が残ったのではないだろうか。

カナダはA代表が先日のオリンピックで銅メダルと健闘していたが、若い世代もしぶといなあという印象。アウェイの地の最初の試合でよく引き分けまで持ち込んだと思う。しかしなにより有り難いのは、日本人でも福島に偏見を持つ人がまだいるのに、よくぞこの地に試合に来てくれたということである。私は、ヤングなでしこを別にすれば、今回のW-20女子ワールドカップではカナダを応援したいと思う。カナダの選手が一人、試合序盤に接触から大きなたんこぶを作って退場していたのが心配だが、試合前に両チームに贈呈されていた福島名産の桃でも食べて、元気に回復してもらいたい。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

ロンドン・オリンピック 男子サッカー 3位決定戦 日本対韓国 [観戦]

日韓戦が終わった朝は、全く寝付けなかった。あんな汚い、ロングボールを放り込んでくるだけのサッカーに負けるとは。こんなに口惜しい思いをしたのは久し振りであったが、ようやく落ち着いてきた(笑)。ま、確かに韓国には決定力があった。それと、大きな怪我をさせられなかったのは本当によかった。

この3位決定戦は、私にしては珍しく録画しなかった。何となく後味の悪いものになりそうな予感がしたからである。いろいろ報道されているところをみると、それは正しかったと思うが、選手達には目がつぶれるほど繰り返し試合映像を観て、切歯扼腕の発奮材料にしてもらいたいものである。

今年のユーロの決勝戦、私が応援していたイタリアがスペインに惨敗したとき、この借りはオリンピックで日本が返してやるという考えが頭をよぎったことを憶えている。だが、その考えはすぐに封印してしまった。スペインの華麗なサッカーを目にしたら、あまりにも突飛で現実味のないことだと思われたからである。しかし、そのスペインを打ち破ってベスト4まで登りつめたのであるから、ものすごいことである。吉田麻也キャプテンを始めとする選手達、関塚隆監督、スタッフの皆さんには本当によくやってくれたといいたい。

それから、アジア予選で日本のオリンピック出場に貢献しながら、残念ながら本大会には出場できなかった選手達。大迫勇也、山田直輝、比嘉祐介、原口元気、山崎亮平、濱田水輝…等々。少なくとも私は名前と顔を覚えたから、これからのJリーグの試合、さらには代表戦で活躍する姿を楽しみにしているぞ!!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

ロンドン・オリンピック 女子サッカー決勝戦 日本対アメリカ [観戦]

なでしこジャパンとの準々決勝戦のあとのバルセロス・ブラジル監督のコメント

「われわれはたくさんの好機をつくったが、得点できなかった。相手は守備的に戦って2点取った。悲劇だ。日本がきょうのような(守備的な)プレーを続けるなら、優勝候補と呼ばれるにはふさわしくない」

いやあ、男の負け惜しみほどみっともないものはないですな。しかし、しかしである。決勝戦のドイツ人の審判は目が悪すぎるだろ。前半の宮間選手のフリーキックの場面、あれはどう考えてもハンドでPKでしょ。そうなっていればきっと試合の流れが…。あとアメリカのゴールキーパーがソロでなかったら、モーガンがもう少し鈍足で下手だったら、2点目のドリブルでロイドがこけていたら…(以下略)、なでしこジャパンが勝ってたに違いない。いや、アメリカはやっぱり強かった。こういうぎりぎりの試合を制することができるチームだからこそ、オリンピック三連覇という偉業を成し遂げることができるのだろう。

事前の私の予想に反して、必ずしもアメリカが一方的に攻め立てるという構図ではなかったのはうれしい。アメリカには前戦の疲れがあったのかもしれないが、去年のワールドカップとは違う試合展開は今後に希望を感じさせてくれた。佐々木監督が最後に一番若い岩淵真奈選手を登場させたのは、心憎いなあと思った。さすがはスピルバーグ則夫と自分でいうだけのことはある。試合後に宮間あやキャプテンが号泣していた姿には胸が詰まったが、授賞式ではみんな笑っていて本当によかった。また、日本の選手・監督の試合後のコメントであのハンドに恨み言をいっているのは一つもないというのは誇らしいことである。

次の女子ワールドカップはカナダで行われるらしい。カナダ・チームは、予選リーグの対日本戦ではそれほど強い印象は受けなかったが、トーナメントでの対アメリカ戦ではパス回しもすごく上手かったし、シンクレア選手の決定力は半端なかった。3位決定戦のフランスとの試合のダイジェスト映像を観ても、実にしぶといチームのようだ。その他に、今回のオリンピックに出られなかったドイツもいるし、なでしこジャパンの苦闘の道のりはまだまだ続きそうだ。

私としては、まず今年は1回も生で見ていないなでしこリーグの試合を観に行こう。あと、ヤングなでしこの出る8月19日からの女子U-20ワールドカップにも是非足を運ばなければ。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

2012ロンドン・オリンピック女子サッカー準決勝 日本対フランス アメリカ対カナダ [観戦]

以前のブログで「決勝トーナメントのどこかで両チームともにキレキレの状態で対戦してほしい」と書いたなでしこジャパンとフランスの試合である。しかし、何だかふわぁ~とした感じで試合を見始めてしまった。たぶん、前日のインタビューで日本の選手が「負ける気がしない」といっていたのに影響されたのだと思う。また、フランスがディフェンシブにきていたため、日本がパスを回せるシーンも多かったし、セットプレーからなでしこジャパンが2点先取すると、何だかもう勝ったような気分になってしまった。

しかし、そこからのフランスの猛攻は凄かった。あんなヒヤヒヤした気分はもう味わいたくないと思いつつ、あれこそが私の見たかったフランスだとも思う。最初からあの戦いをやられていたらと思うと怖い。しかし、なでしこ達はよく耐えた。サッカーについてよく知れば知るほど、ディフェンス陣の重要性に気付かされる。今回のオリンピックでも、ゴールキーパーの福元美穂選手と、センターバックの岩清水梓選手、熊谷紗希選手の活躍は、素人目にもすごいなと感じる。名古屋グランパスのストイコビッチ監督がクラブの練習中に選手の前で熊谷紗希選手を絶賛したというが、さもありなんと思う。

試合後に宮間あや選手が涙している姿を見て、こっちもうるっときてしまった。やはりオリンピックは彼女達にとって特別のものなのだろう。澤穂稀選手も泣いていたらしいが、それは見逃してしまったので、あとでビデオを見直してみよう。宮間選手は直後のインタビューでは「早くホテルに戻ってアメリカ対カナダ戦をチェックしたい」といっていたが、この切り換えの早さがこの人の凄いところである。そのもう一つの準決勝戦を宮間選手はどう観たのだろう。

アメリカとカナダの戦いは、このオリンピックで私が観たサッカーの試合の中で最高にドラマチックなものだった。120分の間に3回リードしたにもかかわらず、3回同点に追い付かれ、最後はロスタイムに逆転されてしまったカナダ選手の気持ちを思うと実に切ない。一方、女子チームの中でアメリカは一つ抜きん出ていると思っていたが、「彼も人なり」であった。ただ、今感じるのは、日本もアメリカも勝利への執念という点で常に相手チームを上回っていたということである。守備で執念を見せるなでしこジャパンと攻撃で執念を見せるアメリカ。どんな決勝戦になるのか、今から待ち遠しくてたまらない。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

サッカーミュージアム [雑記]

先週の月曜、念願だったサッカーミュージアムに行ってきた。所用のあった駒込から炎天下を約1時間かけて歩いてきたら、「月曜休館」の文字が目に…。がっくりしつつもなお近づくと、うれしいことに開いていた。どうやら夏休み期間中は月曜もやっているらしい。 地下の特別展示スペースの料金は500円だが、Jリーグや代表戦などのチケットの半券を持ってると100円割引いてくれるのはちょっとうれしい。

120730_1428~01.jpg 

確か宮本恒靖さんがいたころの男子日本代表の円陣。

120730_1454~01.jpg 

バーチャルスタジアムでは、3D眼鏡をかけて巨大画面で試合の立体映像を楽しめる。内容は、去年の女子ワールドカップの日本対アメリカ戦、同じく日本対スウェーデン戦、昨年のクラブワールドカップのダイジェストの3つだったと思う。立体映像はかなり目が疲れるし、不自然なところもあるんだけど、ワンバックの迫力がものすごかった。  

120730_1458~01.jpg

メディカルスタッフの携行品。 こういうのも面白かったですね。

 120730_1502~01.jpg

あの日の感動がよみがえる。 

120730_1512~01.jpg 

この隣にオリンピックの金メダルが飾られるといいなあ。

120730_1516~01.jpg

応援ブースに飾られていたハガキは、みんな本当に絵が上手かった。私のは間違いなく選考に漏れるだろうから安心だ。確か「アベックメダルを期待してます」 とか書いたと思う。その実現まであと少しだ。

120730_1527~01.jpg

日本サッカーの殿堂。ようやっとここまで来ましたよ、先人の皆さん。なんと男女ともにオリンピックでベスト4ですよ。

1時間半くらいかけてみたけど、時間が足りなかった。今度はもう少しゆっくりと見学したいもんです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

吉田麻也選手のこと [雑記]

吉田麻也選手のことを初めて知ったのは、昨年の2011アジアカップのときだったと思う。私の大好きなお笑い芸人の東野幸司みたいな人がおるなあというのが第一印象だった。色白、面長、切れ長の目の感じがよく似ていると思った。そのアジアカップのカタール戦で、吉田選手はレッドカードを受けて退場となる。その直後のフリーキックでカタールに得点されたとき、ピッチ際の吉田選手が沈痛な面持ちで天を仰いだところが映し出されたが、私には、「人間の心がない」といわれる東野幸司が柄にもなく悲しんでいるように見えてしまい、ちょっと可笑しくなったことを憶えている。

東野に似ていると感じた私の直感は、ある意味で間違っていなかったようだ。吉田選手は、テレビ出演が大好きなようで、しかも結構面白いことをいう。内田篤人の写真を自分のブログに載せると「アクセス数がアップするんですよね~」とウッチーを客寄せパンダ扱い、ザックジャパンの長谷部誠キャプテンのことは「ベーハセ」、本田圭祐は「キャラを作ってる」、スーツで決めてビデオ出演した長友佑都に対しては「あの顔でスーツ着てる時点でスベってるでしょ」と、代表のチームメイトに対して悪態のつき放題である。ああいう顔つきの人は毒づく笑いが得意なのであろうか。

ワールドカップのアジア予選の対北朝鮮戦ではロスタイムにヘディングで決勝点を決めるなど、吉田麻也選手はここぞというときの活躍はすごいのだが、上述のカタール戦でのレッドカード、同じくアジアカップのヨルダン戦でのオウンゴールなど、少し軽いというか、抜けているというか、そんな印象も拭えない。あるとき、ザッケローニ代表監督が吉田選手に対し、「成長し続けないと代表には呼ばないぞ」と釘を刺したという記事を読んで、さすがザックは鋭いなあと感じた記憶がある。6月のヨルダン戦では、吉田選手がドリブルをしているところを相手選手にタックルされ負傷するというアクシデントがあった。これについて、代表のチームメイトの一人が匿名で「あのような完全にリードしている状況では、(リスクの高い)ドリブルなんかする必要は全くなかった」と吉田選手を暗に批判している記事を読んだことがある。そういう厳しいがもっともなことをいうのは、間違いなくベーハセだろうと私は睨んでいる。

そんな吉田麻也選手がオリンピック代表チームに呼ばれ、しかもキャプテンを任されると聞いたとき、実のところ大丈夫かいなと思ったのだが、全くの杞憂だったようだ。これまでの4試合、彼は再三の危機を防いでくれたし、キャプテンシーも発揮しているようだし、しかも昨日の対エジプト戦ではみごとヘディング・シュートを決めてくれた。まあ、ご褒美に『サムライDays、欧州Days』でも買ってやるか。いやいや、感謝の念を持って謹んで購入させていただきます。サッカー選手の本というと、ベーハセの『心を整える』のような啓発的な内容のものが多いという印象がある。この歳になって、いくら優秀なサッカー選手とはいえ吉田麻也から説教めいたことをいわれるのも何だかなあと思っていたのだが、そんなことはなくて軽妙な楽しい本のようである。
 
サムライDays、欧州Days

サムライDays、欧州Days

  • 作者: 吉田 麻也
  • 出版社/メーカー: 学研マーケティング
  • 発売日: 2012/03/06
  • メディア: 単行本
 
最後に、吉田麻也選手のある特集記事に、以下の言葉が紹介されていた。

「サッカー選手で練習以外ずっと家にいるやつと、いろんなことにチャレンジしてるやつとどっちが人生を謳歌(おうか)してるかっていったら、絶対後者でしょ。多感な方が絶対に得るものも大きいと思います」

このような深いお考えがあるとは露知らず、単なる目立ちたがり屋だと勘違いしてしまい、大変失礼いたしました。改めてお詫び申し上げます。いやしかし、昨日のゴール・パフォーマンスでタカ&トシの「俺だ俺だ俺だ~」をやってたところを見ると、この男、やっぱり相当のお調子者である。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

2012ロンドン・オリンピック女子サッカー トーナメント戦に向けて [雑記]

今更であるが、まずは予選リーグでのアメリカとフランスの試合の感想である。2点を先取されたアメリカが逆転し4対2で勝利した。ひと言でいうと、アメリカはめちゃくちゃ強く、フランスもかなり手強いという印象である。

フランスがリードしていた時間は20分ほどであったが、その間もフランスの試合運びにはあまり変化は見られなかったと思う。それに対してアメリカは、失点後も同点に追い付いてからも、日本との親善試合で見せたような激しいプレスを与え続け、逆転に成功した。その後は、体力面の考慮もあったのかもしれないが、ややディフェンシブに試合を進め、そのまま勝ち点3を手に入れた。試合をコントロールするという面でもアメリカは非常に老獪であるという印象である。

そうはいっても、フランスが強豪であることは間違いない。なでしこジャパンがアジア予選で苦しめられた北朝鮮との試合では5対0というスコアで大勝しており、この破壊力は怖いなと感じる。余談であるが、北朝鮮の方は、試合は観ていないが、その後のアメリカ戦では1対0となかなか健闘している。去年のワールドカップのアメリカ対北朝鮮の試合でも、負けはしたものの小柄な若いフォワードが活躍し、かなりいい試合をしていた記憶がある。やはり、反日・反米メンタル・ドーピングの効果はおそるべしである。

さて、なでしこジャパンが対南アフリカ戦の終盤で見せた消極的な試合運びが物議を醸している。理由は、移動の負担を減らすためだったようだが、私は2位で通過できて、本当によかったと思う。相手に失礼だという意見もあるようだが、南アフリカの方も終盤はボールを追ってこなかったのだから、何も失礼なことはない。アメリカの監督も何か嫌味をいっていたが、単なる神経戦だろう。FIFAの規律委員会がどうのこうのという話も、試合中に猿真似をする選手でさえ不問に付されるのだから、全く問題はないはずだ。ただし、キャプテンの宮間あやは性格上、ああいう戦い方を潔しよしとしないような気がする。全てが終わった後でいいので、彼女のコメントを聞いてみたいものだ。

ところで、『ワールドカップ(後藤健生著/中央公論社)』によると、対戦の組合わせを見据えて勝ちにいかないという戦略をとったのは、1954年スイス大会での西ドイツが最初だったようだ。西ドイツのゼップ・ヘルベルガー監督は、一次リーグでの当時世界最強のハンガリーとの試合であえて「二線級」の選手を大量に出場させて、8対3でボロ負けする。ところが、ハンガリーはその後、準々決勝でのブラジルとの乱闘試合、準決勝でのウルグアイとの死闘の結果、負傷者も出てしまい、決勝ではヘロヘロの状態となってしまった。一方、西ドイツはユーゴスラビア、オーストリアに楽勝して、余力を持って決勝に臨むことができた。それでも決勝は厳しい試合となったのであるが、西ドイツはこの試合を耐え抜いて初のワールドカップを手に入れた。一次リーグでのハンガリー戦では自国民からのブーイングを浴びせられたが、最後には敗戦に打ちひしがれていた国民に誇りを与えることができたのである。これが卑怯なのであろうか。いや、私は痛快な物語だと思う。

さて、澤穂稀選手は、このオリンピックをもって代表を引退することを示唆している。佐々木則夫監督も監督を勇退するやに伝えられている。監督が替われば、選手の顔触れも変わっていくだろう。1試合でも多く、現メンバーでの試合を観られるよう、今夜の対ブラジル戦には何としても勝ってもらいたい。
 
ワールドカップ

ワールドカップ

  • 作者: 後藤 健生
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

なでしこジャパン物語 〜宮間あや 安藤梢 鮫島彩〜(工藤晋・笠原巴・山崎夏軌・佐治晴斗著/講談社)-鮫島彩物語- [漫画]

私は一度、鮫島選手に握手してもらったことがある。昨年末、日本女子サッカー選手権の準決勝の2試合を国立競技場に観に行ったときのことである。最初の試合終了後にアナウンスが流れ、鮫島彩選手と熊谷紗希選手が正門前で東日本大震災の慈善募金を募っているという。早速いってみると、お二人が募金箱を抱えて、募金した人一人ひとりと握手していた。募金箱の前には長蛇の列ができていて、なかにはこれ見よがしに千円札を握りしめているおじさんもいる。私は芸能人のサインとか握手とかにまったく興味がないのであるが、ひとしきり悩んだ末、この機会を逃してはと思い、鮫島選手と熊谷選手の握手をゲットしたのであった。募金額はここに書くのが恥ずかしいぐらいの些少なものであるが。

もう一つ鮫島選手というと、昨年国外に移籍するまでは、東京電力の女子サッカー・チーム、東電マリーゼに所属していて、例の大事故が起きた福島第一原発で働いていたという話が有名である。昨年のワールドカップの前後に、鮫島選手がインタビューを受けていたとき、原発事故の話になったところ、突然鮫島選手の目から涙が溢れて止まらなかったという話を聞いた記憶がある。おそらく記事で読んだのだと思うのだが、鮫島選手が涙を流しているシーンが映像として私の脳裏にあるのは不思議である。

さて、この漫画は、この本に収められた3作の中で最もストーリーがドラマチックである。それは、鮫島選手の幼少時代のサッカーのコーチの言葉とその不慮の死が、鮫島選手のサッカー人生に深く関わっているからである。もう一つの重大事であったはずの東電事故による東電マリーゼの休部については、漫画では全く触れられていないが、これはやむを得ないことかなとも思う。

意外だったのは、鮫島選手は中学時代、サッカーのスター選手だったにもかかわらず、学校ではテニス部に所属していて、「サッカーを止めようかな」と考えたこともあったということである。そういえば、先日フジテレビのインタビューだったと思うが、「何となくふわ~っとした感じでここまできてしまった」といったようなことを語っていた記憶がある。ひょっとすると鮫島選手はみんなに注目されたり、人気の的になったりするのは苦手なのかもしれない。そういう控え目な性格だとすると、見ず知らずのおっさんと握手せざるを得ない羽目になって、さぞかし嫌だったことであろう。本当に申し訳ないことだ(笑)。

あと、鮫島選手といえば、あの女の子走り(小股走りという人もいる)でなぜあんなに速く走れるのかが不思議である。鈍足の私がいうのもおこがましいが、私の学校時代の経験では、ああいう走り方をする女子はみな足が遅かったような気がする。鮫島選手の走り方の秘密がこの漫画では明らかにされなかったのは非常に残念である。
 
ロンドン・オリンピックでの次の試合はスウェーデンが相手だ。鮫島選手がエース、シェリーンに仕事をさせず、あのキュートな走り方でサイドを駆け上がる姿を見るのが非常に楽しみである。 
 
なでしこジャパン物語 宮間あや 安藤梢 鮫島彩 (ライバルKC)

なでしこジャパン物語 宮間あや 安藤梢 鮫島彩 (ライバルKC)

  • 作者: 笠原 巴
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/07/09
  • メディア: コミック
 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

なでしこジャパン物語 〜宮間あや 安藤梢 鮫島彩〜(工藤晋・笠原巴・山崎夏軌・佐治晴斗著/講談社)-安藤梢物語- [漫画]

サッカー男子日本代表のサイドバック内田篤人選手は、同じくドイツでプレイしている安藤梢選手と知り合いらしい。しかし、以前なんかの番組で、内田選手が「こずこず(安藤選手はこう呼ばれているらしい)は結構冷たいんですよね」といった発言をしていたのを憶えている。ザックジャパンで一番イケメンのウッチーに冷たいと感じさせるとは、安藤選手はよほどタカビーな女性なのかと思ったのだが、そうではないことがこの漫画を読んでわかった。そう、こずこずには別に恋人がいたのである。「サッカー」という恋人が…。しょうもないオチであるが、本当にそう思えるぐらいサッカー一筋に情熱を注ぎ込んできた人なのである。

漫画の前半は、彼女がいかに練習と研究に熱心かという話のオンパレードである。チームメイトがもう止めようといっても練習、女子ワールドカップの代表選出から洩れたショックで猛練習、GKの山郷さとみ選手が休めといっても練習、クラブの練習が終わったあともサッカーの名門筑波大学での練習…。練習だけではない。大学ではパソコンの前で、サッカーボールの空気抵抗の変化やメッシのドリブル・テクニックなどについて研究する姿が描かれる。

そんな安藤選手の努力が実を結んだのが、昨年のドイツ女子ワールドカップでの快挙だったわけである。準々決勝のドイツ戦後、佐々木則夫監督が「MVPは安藤にあげたいぐらい」といったエピソードが漫画で紹介されている。このコメントは私もリアルタイムで聞いたが、素人ゆえの悲しさ、試合中はボールウォッチャーになってしまい、またどうしてもシュートなどの派手なシーンばかりに目が向いてしまい、なかなか安藤選手の陰の活躍には気が付くことができなかったのであった。が、漫画を読むと、ドイツ戦での安藤選手の無回転シュート、当たり負けしないフィジカル、巧みなドリブルなどに、これまでのひたむきな練習と研究の成果が十分に発揮されたことがよくわかる。

先日のロンドン・オリンピック初戦、対カナダ戦では安藤選手は途中からの出場だった。あまり多くチャンスにはからまなかったけれども、この漫画を読んだ後で安藤選手のプレイをみると、確かに上手いなあと実感した。後半33分のシュートが惜しかったなあ。安藤選手は代表戦ではゴールに縁がないけれど、今回のオリンピックでは是非、目の覚めるような無回転シュートを決めてもらいたいものである。

ところで、安藤選手の実物は日に焼けた肌に白い歯がとても印象的な人である。スクリーントーンかなにかを使ってもう少し色黒に表現してほしかったかな。それと、この漫画の冒頭、ワールドカップ対ドイツ戦の入場行進のシーンに一回だけ宮間選手が登場するのだが、その目が一本線で描かれているのは実にうれしい。やはり宮間選手の目はこうでなくっちゃね。但し、阪口選手と見分けが付かないおそれはある。
 
なでしこジャパン物語 宮間あや 安藤梢 鮫島彩 (ライバルKC)

なでしこジャパン物語 宮間あや 安藤梢 鮫島彩 (ライバルKC)

  • 作者: 笠原 巴
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/07/09
  • メディア: コミック
 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

日本サッカーを強くしたのはだれか [雑記]

ロンドン・オリンピックの予選リーグで日本がスペインに勝った。無敵艦隊を撃沈、大金星、ジャイアント・キリング、いろんな言い方があると思う。だが、「グラスゴーの奇跡」という呼び方にだけは違和感がある。もちろん難しい試合であったとは思う。が、今のU-23のメンバーがチーム戦術を厳守してプレイして臆することなく実力を発揮できれば、スペイン相手でもチャンスを作れるし、向こうの攻撃を防ぐこともできるのは、当然とまではいわないものの、それほど意外なことには感じなかった。それほど日本のサッカーは成長したのだと思う。
 
ユーロ2012の決勝戦、私の応援していたイタリアがスペインにちんちんにされて敗北したとき、オリンピックで日本がイタリアの敵をとってやると一瞬思った。が、あまりに突拍子もないことのように感じ、すぐに頭からその考えを打ち消してしまった。そのときの弱気になっていた自分が今から思うと悔やまれる。試合前にはトルシエ元代表監督なども「リーグを勝ち抜くためにスペイン戦は捨てろ」という趣旨の発言をしていたが、勝つにせよ負けるにせよ、こういう戦い方の方が断然価値があると思う。

『日本サッカーはほんとうに強くなったのか(大住良之著、後藤健生著/中央公論新社)』では、「日本サッカーを強くしたのはだれか」というテーマで、育成面に関する2つの座談会の議論が紹介されていた。一つは、トレセン制度の改革に関するものであり、もう一つは高校とクラブでの育成に焦点にあてたものだった。両方の座談会で印象的だったのは、一握りのエリートだけを集中的に強化するのではなくて、若い世代全体の技術・戦術・精神面での向上を図るという視点から取組みが行われているということだった。

この本が発刊された2000年当時、本田圭祐と長友佑都は14歳。長友はゲームセンターに入り浸って、サッカー部の顧問の先生にビンタされていた頃だろう。現在のU23の世代では、例えば香川真司、永井謙佑、清武弘嗣は11歳、スペイン戦でゴールを決めた大津祐樹は10歳である。必ずしも全員が、早くから注目されていたスター選手というわけではないと思う。それでも、フル代表はワールドカップ予選で着実に勝ち点を得ているし、U23はロンドン・オリンピックで優勝候補スペインを破るという快挙を成し遂げた。

日本サッカーの育成策は着実に効果を挙げてきているのだと思う。
 
日本サッカーはほんとうに強くなったのか

日本サッカーはほんとうに強くなったのか



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

日本サッカーはほんとうに強くなったのか(大住良之著、後藤健生著/中央公論新社) [書籍]

2000年にサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さんのお二人が、テーマ毎にゲストを招いてサッカー界の現状について座談会形式で議論した内容を記録した本である。座談会のテーマは大別すると、「育成」、「クラブのあり方」、「サッカー界とメディアとの関係」ということになろうか。

新米サッカー・ファンの悲しさで、ゲストの方々の名前はほとんどわからない。だが、育成についての座談会のゲストの一人に布啓一郎さんという方がいた。当時、市立船橋高校サッカー部監督を務めていた人である。私は先日、市立船橋とフロンターレ・ユースの試合を観てきたので、あの力強くて激しいプレー・スタイルを作ってきたお一人かと思うと非常に感慨深かった。

さて2000年というと、フランス・ワールドカップへの出場を果たし、日韓共催は決まったものの、日本サッカーが今後も順調に発展していくのか不安もあった頃だと思う。この本のタイトルが「日本サッカーはほんとうに強くなったのか」という問いかけになっているのも、そういう自信のなさの現れのように思う。今読めば、この本に書かれたことも過去の出来事として客観的に眺めることができるが、発刊当時この本を読んだ人は、日本サッカー界の課題山積の状況に頭が痛くなるような瞬間もあったのではないか。そう思われるぐらい、これでもかこれでもかと様々の問題が出てくる。Jリーグ・クラブの赤字問題、育成資金の問題、芝の練習場の不足、低レベルのサッカー記者、中田英寿のインタビュー拒否等々。何だか日本サッカー界が当時抱えていた悩み、問題、不平、不満のデパートのような本でもある。

しかしもちろん、問題があるからこそ、こういう本を出す意義もあるわけである。座談会形式のため、話はあちこち飛ぶし、特に結論めいたものは示されない。だが、あーでもない、こーでもない、外国じゃこうしている、うちじゃこんなやり方をした、あれじゃあダメだ…等々、侃々諤々の議論が行われるその行間から、議論の参加者それぞれの日本サッカーをもっと強くしようという熱意が溢れ出してくるような本である。

最終章は、大住、後藤両氏による当時の日本サッカー協会会長、長沼健氏へのロング・インタビューである。これだけ別の本にしてもいいのではと思うぐらい読み応えがあった。長沼さんの話は、旧制中学時代の広島での被爆体験から始まる。淡々とした語り口であるが、原爆投下直後の街の様子は、私には想像することもできない凄まじい世界である。そして終戦直後の芋畑のグラウンドをローラーでならしてサッカーをした時代から、デットマール・クラマーとの出会い、メキシコ五輪後の低迷期、日本サッカー・リーグの創設、Jリーグの立上げ、日韓ワールドカップの決定までが、当事者ならではのエピソードを交えて一気に語られる。特に、お金を巡る苦労話が生々しくて興味深かった。私ごときが結論めいたことを書くのはおこがましいので、この章の大住良之さんの「前説」の最終部分を引用したい。

「…何よりも一足飛びにプロができたのではないということ。多くの人の献身的な働きと、サッカーへの情熱によって、一歩一歩『ビッグスポーツ』へと進んできたこと。そして、少し前まで雲のなかにあった『山頂』が、ようやく視界に入ってきたこと。目の前の試合だけにとらわれず、歴史を知り、長期的な展望からいろいろなことを考えていきたいと思う。」

私は今、「日本サッカーはほんとうに強くなった」のだろうと思う。しかし、所詮は数年前からのにわかサッカー・ファンのため、日本がワールドカップの常連になって以降の良い時代しか知らない。なんだか美味しいとこどりをしているようで気が引ける、せめて昔のことをもっと知ろう。そう思ってブックオフで税込み105円で買った本であるが、本当に買ってよかった。
 
日本サッカーはほんとうに強くなったのか

日本サッカーはほんとうに強くなったのか

  • 作者: 大住 良之
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本
 
日本サッカーはほんとうに強くなったのか (中公文庫)

日本サッカーはほんとうに強くなったのか (中公文庫)

  • 作者: 大住 良之
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

(観戦後)国際親善試合 フランス女子代表 対 なでしこジャパン(日本女子代表)(7/19@パリ) [観戦]

なでしこジャパンと女子フランス代表の試合を観たいというかねてよりの私の夢は叶った。但し、半分だけである。フランスは期待どおりのパフォーマンスだったが、残念ながら、なでしこの方はあまり調子がよくなかった。

黒い肌のフランス人選手がものすごいスピードでディフェンスを突破する姿に既視感があった。思い出した、トミという選手だ。どの試合だったかは覚えていないが、私の脳裏に焼き付いている去年のワールドカップでの女子フランス代表のイメージがこれだった。ネシブ選手は顔にばかり集中していたせいか、ワールドカップでのプレイの記憶はあまり残っていない。今回見てみると、彼女は少し顔つきがごつくなったような気がする。ま、それはともかく、フランスは1年前と同じく実に魅力的なチームだった。こんないいチームがワールドカップの3位決定戦でスウェーデンに負けたというのは信じられない。スウェーデンは、なでしこジャパンとの試合を観る限りでは、ものすごく強いという印象はないのである。やはり相性というものがあるのだろうか。

余談であるが、前述のトミ選手は、最近の記事では「トミス」と表記されていることが多い。フルネームは「Élodie Thomis」というらしい。フランス語では語尾の子音字は原則として発音されないが、原則の例外なのだろうか。

一方、なでしこジャパンの戦い振りにも既視感があった。去年のワールドカップでの対イングランド戦を観ていたときの感覚だった。解説の大竹七未さんが動きにキレがないといっていたが、確かに本調子ではないようだった。私にはキレのあるなしまでは正直よくわからないが、確かにミスは多いなと感じた。長いパスを放り込まれて、ディフェンスが振り切られてゴール!というのは、なでしこのお馴染みの失点シーンである。ワールドカップでのイングランド戦の1点目も、決勝のアメリカ戦の1点目もこのパターンだった。スピードのあるチームと対したときのこうした形の失点のリスクは、なでしこジャパンが追求するサッカーが宿命的に負っているものであるという気がする。前半での大儀見選手のシュート、宮間選手のフリーキック、その直後の澤選手のシュートのいずれかを決めていれば、試合の流れが変わったかもしれないと思うと残念だ。

しかし、また新しい夢ができた。ロンドン・オリンピックの本戦で、なでしこジャパンもフランス代表も勝ち進み、決勝トーナメントのどこかで両チームともにキレキレの状態で対戦してほしいということだ。そう、例えば、UEFAチャンピオンズ・リーグ準決勝でのバイエルン・ミュンヘン対レアル・マドリードのファースト・レグのような…。その前に予選リーグG組の初戦では、この間なでしこをコテンパンにしてくれたアメリカとフランスが対戦する。こちらも非常に楽しみだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ
前の30件 | -

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。